公益財団法人 国際口腔医療財団
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ー情報ひろば「サイエンスカフェ」ー

瀬戸代表理事が「脱タバコ」についてお話をしました。
     
日時 :平成22年5月28日(金)19:00〜20:30
会場 :文部科学省情報ひろば
テーマ:禁煙の科学「脱タバコ社会実現への正念場」
講師 :瀬戸ケ一 (日本学術会議脱タバコ社会の実現分科会副委員長、公益財団法人国際口腔医療財団代表理事)
管野 恵 (総合南東北病院心臓血管外科部長)
 







写真左 講師 瀬戸ケ一、
中 コーディネーター本田孔士先生、
右 講師 菅野恵先生
 


 ご参加の皆様とともにお茶を飲みながら戸先生からお話しが始まりました。 ボランティア 活動として行ったスリランカでのビンロウ噛みと喫煙に誘発される悲惨な口腔がんの実態調査と当地において長年の禁煙運動の結果、発がん率を著しく減少させたこと。口腔がんの悲惨な症例、その手術による治療、手術法の現地定着への努力も話題にされました。

 菅野恵先生からは、喫煙によって、心筋梗塞、脳梗塞、大動脈瘤、大動脈解離等の循環器系の疾患がいかに高率に誘発されるかを、ご自分の経験した症例に基づいて、数値と生々しい症例で説明されました。喫煙の影響は肺がんと言われていますが、肺がんよりも循環器疾患の方が喫煙の害がより直接的に出ていることを示されました。その悪影響は、受動喫煙者にも明らかにみられ、喫煙と受動喫煙の恐ろしさを実感いたしました。

 瀬戸先生から、神奈川県における官民一体となった受動喫煙防止の動きについて説明されました。その中で、禁煙というより「卒煙」という言葉が良いと提言しました。脱タバコ社会の実現には、禁煙、嫌煙で愛煙家とヒステリックな衝突を繰り返すのは得策でなく、喫煙者に愛情をもって卒煙していただく「愛情卒煙」が良いのではと話されました。

 最後のまとめとして、日本学術会議脱タバコ委員会から発信された「要望:脱タバコ社会の実現に向けて」(2008年3月)、「提言:受動喫煙防止の推進について」(2010年4月・参加者に配布)を、副委員長として取りまとめた瀬戸先生が締めくくりました。

 参加者から、自分の巻き込まれた喫煙者、禁煙者間のトラブルがリアルに語られ、禁煙問題解決の難しさがわかりました。また、喫煙者はどの職種に多いのですか。との問いに医者も多いのですが、学校の先生はたたく方がいないので意外と多く、実権を握っている事務職のトップにも喫煙者が多いとのことです。中々禁煙活動が進まない元凶でしょうか。